ジパングの王子・巧海頭の来訪が、サコミズたちに仕組まれたお見合い外交であることを知ったマシロは、迎えへ行く車中から逃げ出してしまった。逃げる途中、外国からやって来た晶と名乗る少年と出会い、すぐに意気投合したマシロは、その日は晶といっしょに過ごすことに決める。だが、マシロは自分の名前を「ニナ」と名乗ってしまうのだった。一方、マシロのオトメとして風華宮にやって来たアリカは、逃げ出したマシロのせいで困っていたサコミズたちの頼みで、マシロの代役をすることになった。アリカはマシロに、ニナはそのマシロのオトメとしてアリカと名乗るのだった。その、アリカと言う名のニナの監視の元、何とかばれぬようジパングからの来訪者・巧海頭に対応するアリカ。だが、アリカの目の前に現われたのは、やはり巧海頭の代役として王子の格好させられていた側近・晶だったのだ。お互いの立場を隠したまま、巧海頭の来訪の目的地・ガルデローベへと向かう一行。しかし、ガルデローベへ着いた晶は、自分が本物の王子でないことが、シズルに見抜かれてしまう。ガルデローベを逃げ出す晶。それを追うシズルとアリカ。やがて、晶はヴィントブルームに到着してから行方を追っていた巧海が、マシロとともにいるところを発見する。そして、追って来たアリカたちの前で、ようやく巧海頭と自らの存在を明らかにするのだった。よもや王子とは知らず、巧海頭との楽しい時間を満喫していたマシロ。後日、巧海頭から正式に面会の申し出を受けたものの、巧海頭といる間に指摘された姫としての自分への批判と、そんな巧海頭を好きになっていた複雑な想いから、面会をする気分になれず、ひとり塞ぎこんでしまうのだった。
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